大井町の歴史

大井町の歴史 -29「過去を眺める坂-5<旧仙台坂(くらやみ坂)>」

はじめに

武蔵野台地が途切れるあたりに、大井町は存在します。その東側はかつての海が広がっており、人々は交通にあたっては高台と低地を結ぶ「坂」を往来していました。
名前がつけられた坂もあり、無名の坂もあり、いずれにせよ「坂」は現在と過去をつなぐメッセージのような気がします。そこでしばらく「坂」にまつわる物語を紡いでみたいと思います。

由来

坂の中程から上にかけて仙台藩伊達陸奥守の下屋敷があったことや、坂上に仙台味噌の工場があったためこのような坂名になったといわれています。もともと仙台坂は、この坂の南方、海晏寺(南品川五丁目)と泊船寺(東大井四丁目)との間にある坂名でした。

現場から所感

坂の上には仙台味噌醸造所が所在し、大井町に仙台、伊達藩の江戸下屋敷があった名残の感じられる場所です。緩やかな坂からはかつては遠浅の東京湾が一望出来たに違いありません。当時木が生い茂って昼間でも暗かった様子はなく、道も広く整備され気持ちの良い坂でした。

仙台坂(くらやみ坂)の現在