大井町の歴史

大井町の歴史 -30「過去を眺める坂-5<ゼームス坂>」

はじめに

武蔵野台地が途切れるあたりに、大井町は存在します。その東側はかつての海が広がっており、人々は交通にあたっては高台と低地を結ぶ「坂」を往来していました。
名前がつけられた坂もあり、無名の坂もあり、いずれにせよ「坂」は現在と過去をつなぐメッセージのような気がします。そこでしばらく「坂」にまつわる物語を紡いでみたいと思います。

由来

JR大井町駅から第一京浜(国道15号線)に出る道にあるこの坂は、もと浅間坂(せんげんざか)と呼ばれていて、非常に急な坂でした。明治時代、この坂下付近に住んでいたJ.M.ゼームスという英国人が私財を投じて緩やかな坂に改修しました。それ以来この坂はゼームス坂と呼ばれるようになりました。

現場から所感

大井町といえばゼームス坂ですね。写真の場所はちょうどゼームスさんが住んでいた辺りです。ここらへんが急な坂であったのでしょうが、当たり前ですがその名残はありません。ですがご覧の通り傾斜が緩やかに整備されたお陰で、今日も人が行き交う豊かな通りとして存在し続けています。

ゼームス坂の現在