『上司は鑑定士!』第3回|金利が上がると不動産価格はどうなる?
『上司は鑑定士!』~新人ハルの不動産ゼミ~
第3回|金利が上がると、不動産価格はどうなる?
とある不動産会社の新入社員ハルが、不動産鑑定士である上司・森田のやさしい解説で、
不動産にまつわる様々な知識を学んでいくシリーズです。
ハルと一緒に勉強してみませんか?
【登場人物紹介】
●佐藤ハル 24歳、不動産営業1年目。理屈より感覚派。
モットーは「わからないことは、すぐ聞く!」。
●森田ツトム 49歳、ハルの上司の不動産鑑定士。趣味はサッカー観戦と旅行。
難しい専門知識をわかりやすく説明するのが得意。
第3回:金利が上がると、不動産はどうなる?
第3回目は、多くの人が気になる「金利」のお話。
ニュースで騒がれる金利上昇は、これから家を買う人にとってどんな影響があるのでしょうか?
これってこれから家を買おうとしている人にとっては、
やっぱり「損」な時期が来たってことなんでしょうか?
不動産鑑定士の視点で見れば、
金利は「不動産価格を動かす最大の重り」なんだ。
結論から言うと、金利が上がると
「月々の支払額を変えない場合、選べる家のランクが下がる」
というのが一番の現実だよ。
1. 「買える家」の予算が変わる?
あ、そうか。利息が増える分、同じ予算でも
「本体価格」に回せるお金が減っちゃうからですね。
例えば、月々10万円の返済でシミュレーションしてみよう。
【月々10万円返済・35年ローンの場合】
- 金利0.5%の時
→ 約3,800万円借りられた - 金利1.5%になると
→ 約3,200万円しか借りられない
……それって、「駅から徒歩5分の物件」を狙っていたのが、「徒歩15分」まで広げないと予算に収まらなくなるってことですよね。
そうやって買い手の予算(購買力)が落ちると、
今度は売る側が価格を下げないと売れなくなる。
これが、金利上昇が「不動産価格の下落」を招く
と言われるメカニズムなんだ。
2. 変動金利に潜む「見えないリスク」
まだ変動金利は十分低いですよね。
みんな今のうちに低い金利で契約しちゃえばいいんじゃないですか?
変動金利には多くの銀行で
「5年ルール」と「125%ルール」
という仕組みがあるけれど、これがなかなかの曲者でね。
サッカーのルールみたいですね。
- ●5年ルール
- 金利がどれだけ上がっても、5年間は「月々の返済額」を固定する。
- ●125%ルール
- 5年後の見直し時、返済額を増やすとしても、これまでの「1.25倍」までを上限とする。
急に支払いが倍になったりしないなら安心ですよ。
これ、あくまで「月々の支払額」を抑えているだけで、
「利息」そのものが減っているわけじゃないんだよ。
金利が急上昇すると、月々の返済額のすべてが利息の支払いに消えてしまい、元金(借金本体)が全く減らない「未払利息」という事態が起こり得る。
それって、必死に月々お金を払っているのに、
1円も借金が減っていないってことですか?!
それどころか、本来払うべき利息が返済額を上回って、
借金が逆に増えていくケースすらある。
これを未払利息というんだが、
最後には一括で精算を求められることになるんだ。
まるで、「リボ払いの沼」に
はまっているみたいな話じゃないですか。
「資産」ではなく「負債」を膨らませている状態だ。
だからこそ、表面上の金利の低さだけでなく、
金利が上がった時のシミュレーションを
自分で行うことが重要なんだ。
3. 今、買うのは「待ち」なのか?
ただ、金利が上がっても価値が下がりにくい
「強い物件」を見極める目を持つことが、
これまで以上に重要になるね。
金利という「波」に一喜一憂する前に、
まずは自分が乗る「船(物件)」が浸水しないかどうか、
ちゃんと鑑定しなきゃいけないってことですね。
ハル的まとめ
●金利が上がると、「買える家」のランクが下がる
●変動金利の「5年・125%ルール」は、支払いを先延ばしにするだけ
●利息が返済額を上回る「未払利息」のリスクに注意
●金利上昇時こそ、価値が下がりにくい「強い物件」選びが重要
「金利の波は読めないが、『不動産の価値』は読める。
5年ルールにすがる前に、その物件が『本物』かどうか鑑定せよ!」
かんべ土地建物(株)には、経験豊かな不動産鑑定士が在籍しております。
ちょっとしたことでも、いつでもお気軽にご相談ください。
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