『上司は鑑定士!』~新人ハルの不動産ゼミ~

第4回|ネットで見つけた「激安物件」、これってお宝ですよね!?

とある不動産会社の新入社員ハルが、不動産鑑定士である上司・森田のやさしい解説で、
不動産にまつわる様々な知識を学んでいくシリーズです。
ハルと一緒に勉強してみませんか?

 

【登場人物紹介】

●佐藤ハル 24歳、不動産営業1年目。理屈より感覚派。
モットーは「わからないことは、すぐ聞く!」。

●森田ツトム 49歳、ハルの上司の不動産鑑定士。趣味はサッカー観戦と旅行。
難しい専門知識をわかりやすく説明するのが得意。

第4回:ネットで見つけた「激安物件」、これってお宝ですよね!?

 

不動産サイトを眺めていると、たまに「おっ!」と思うような激安物件が出てくることがあります。
でも、相場より明らかに安いものには、プロが必ずチェックする「ワケ」があるようで……。

 

ハル
ハル
森田さん、森田さん!見てください、このスマホの画面!
駅から近くて広いのに、相場より1,000万円も安い土地を見つけちゃいました。ここなら理想のマイホームが安く建ちますよね!
森田
森田
おっ、ハルさん、朝からお宝探しかな?どれどれ……。
あぁ、なるほど。確かに安いけど、これには鑑定士が必ずチェックする「2つの大きな理由」が隠れているよ。
ハル
ハル
えっ、事故物件じゃないですよ?
日当たりも良さそうですし……。

 

1. 自分の土地なのに、道路になっちゃう!?

 

森田
森田
まず1つ目。
この前面道路、写真で見るとすごく狭くないかい?
ハル
ハル
あ、本当だ。
軽自動車がやっと通れるくらいですね。
でも、静かで良さそうじゃないですか。
森田
森田
そこが落とし穴なんだ。
今の法律では、道路の幅は「4メートル以上」必要と決まっている。
この道はそれより狭いから、家を建てる時に自分の敷地を道路として差し出さないといけない。

これを「セットバック」と言うんだよ。

 

ハル
ハル
ええっ!
私が買った土地なのに、道路になっちゃうんですか!?
森田
森田
そうなんだ。
例えば30坪の土地だと思っても、セットバックで数坪使えなくなれば、その分建てられる家も小さくなる。

鑑定士は、その「実際に使えない面積」を計算して評価を下げるから、安くなっているんだね。

💡 鑑定士の知恵袋:なぜ「4メートル」必要なの?
実は、消防車や救急車などの緊急車両がスムーズに通れるようにするためです。古い街並みでは道が狭いことが多いですが、将来的にみんながセットバックすることで、安全で災害に強い街づくりにつながるという目的があるんですよ。

 

2. 土地の形が「ポテンシャル」を決める

 

ハル
ハル
知らなかった……。
じゃあ、こっちの「旗みたいな形の土地」はどうですか? これも安いんです!
森田
森田
それは「路地状敷地(旗竿地)」だね。

ハルさん、奥に家が建てられるのはいいけど、この細長い通路部分には、重機やトラックが入りにくいのが想像できるかい?

 

ハル
ハル
あ……。もしかして、工事が大変なんですか?
森田
森田
正解。
家を建てるためのコストが余計にかかったり、水道管を長く引き込む費用が必要だったりする。
さらに、土地の形が歪(いびつ)だと「有効活用」がしにくい。

鑑定士はこうした土地を「不整形地」として、使い勝手の悪さを数値化して評価するんだ。

ハル
ハル
見た目のおトク感に騙されるところでした。
土地の形や道の広さで、そんなに価値が変わるなんて……。
森田
森田
不動産鑑定は、ただ面積を測るだけじゃない。
その土地に「どれだけ効率よく建物が建てられるか」というポテンシャルを見抜く仕事なんだよ。
💡 鑑定士の知恵袋:「旗竿地」以外にもある不整形地
三角形の土地(三角地)や、がけ地が含まれる土地なども「不整形地」として扱われます。これらは建築プランが制限されるため、鑑定評価ではそのマイナス分を精密に数値化(しんしゃく)して算出することになります。

 

ハル的まとめ

 

ハル
ハル
今回のまとめです!

●セットバック:狭い道に面した土地は、敷地の一部を道路にする必要があり、使える面積が減る

●不整形地(旗竿地):形が悪いと建築コストが上がり、利用効率が下がるため評価が低くなる

●鑑定士の視点:表面的な価格だけでなく、法的な制限やコストまで見抜いて「真の価値」を出す

 


森田のビシッと一刀両断!

「安い」には必ず裏がある。表面上の面積に惑わされるな!
不動産の真の価値は、広さではなく「ポテンシャル」で決まるんだ。

 

ハル
ハル
森田さん、かっこいい!
……よし、じゃあこのセットバック分、私のランチ代も
「セットバック(削減)」して節約しなきゃ。
森田
森田
ハルさん、そこは削らなくていいから、
しっかり食べて勉強してね(笑)

 

監修:森田 努

不動産鑑定士及び宅地建物取引士。

相続・遺産分割・担保評価・収益不動産を得意とする。上場企業の財務諸表評価の実績も多数。弁護士・税理士・司法書士・その他専門家と連携し、適正な不動産評価で課題解決を支援。YouTubeFacebook、Xにおける不動産情報も好評。

かんべ土地建物(株)には、経験豊かな不動産鑑定士が在籍しております。
「この物件、相場より安いけど大丈夫?」といったご相談もお待ちしております。

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