第8回|同じ面積なのに大違い?タワマンの「上と下」を分ける数字の魔法
第8回|同じ面積なのに大違い?タワマンの「上と下」を分ける数字の魔法
とある不動産会社の新入社員ハルが、不動産鑑定士である上司・森田のやさしい解説で、不動産にまつわる様々な知識を学んでいくシリーズです。ハルと一緒に勉強してみませんか?
【登場人物紹介】
●佐藤ハル 24歳、不動産営業1年目。理屈より感覚派。モットーは「わからないことは、すぐ聞く!」。
●森田ツトム 49歳、ハルの上司の不動産鑑定士。趣味はサッカー観戦と旅行。難しい専門知識をわかりやすく説明するのが得意。
第8回:同じ面積なのに大違い?タワマンの「上と下」を分ける数字の魔法
タワーマンションの最上階。それは多くの人が憧れる「成功の証」かもしれません。しかし、同じ面積、同じ間取りであっても、1階と最上階ではその「価値」の決まり方が根本的に異なります。
先輩の結婚祝いでタワーマンションの最上階のパーティールームに行ってきたんです! 東京の街がミニチュアみたいに見えて、最高にセレブな気分でした〜。私もいつかタワマン買っちゃおうかな!
ハルさんがタワマンの最上階に住んだら、毎日が楽しそうだ。
確かにあの眺望は、他では得られない魅力があるからね。
で、気になって物件サイトを見てみたんですけど……同じマンションなのに、1階と最上階で価格が倍近く違う部屋があってバグかと思いました。 だって、部屋の広さは全く同じなんですよ?
固定資産税とかの税金も、やっぱり最上階は倍くらい払うんですか?
実は、僕たち不動産鑑定士がマンションを評価するときは、ただの床面積だけを見ているわけじゃないんだ。 そこには「階層別補正率」という、明確な数字のルールが働いているんだよ。
階層って、あの「地層」とかの仲間ですか? 泥の話?
タワーマンションのように、階数によって市場の取引価格に明らかな差がある場合、1階床あたりの価値を階数ごとに調整するんだ。
ちなみに、固定資産税だけど……実は2017年の税制改正前までは、1階も最上階も「床面積が同じなら税金は同じ」だったんだよ。
じゃあ、最上階を買った方が税金面で
めちゃくちゃ得だったってことですか?
市場で売れる価格(時価)は最上階の方が圧倒的に高いのに、税金は1階と同じだった。これでは不公平だということで、高さ60メートルを超えるタワマンについては、上の階に行くほど固定資産税が高くなるように法律が変わったんだ。
具体的には、1階上がると税金が約0.26%ずつ上がっていく仕組みになっているんだよ。
1. 税金のルールと、プロが向き合う「市場」の差
税制のルールは一律の計算式だけど、僕たちが向き合うのは「実際の市場」だ。 最上階の価格を跳ね上げている要素は、主に「プレミアム価値(格差率)」。でもこれは、非常に熱しやすく冷めやすい性質を持っているんだよ。
同じマンション内でも、階数が上がるごとに価格が上昇する割合のことです。一般的には眺望や日照、ステータス性が加味されますが、タワーマンションの場合はこの傾斜が非常に急になる傾向があります。
2. 不況の波が来たとき、真っ先に消えるのは……
憧れの最上階なのにですか?
真っ先に大幅下落するのはプレミアムが乗った最上階で、逆に下層階の「実際の暮らしやすさ(実需)」に裏打ちされた価値は、不景気でも底堅いんだよ。
ハル的まとめ
●プレミアム価値:景色やステータスによる「盛り上がり価格」。景気が悪くなると真っ先にしぼむリスクがある!
●階層別補正率:2017年以降、タワマンは上の階ほど固定資産税が高くなる(1階ごとに約0.26%アップ)。
●実需の強さ:低層階の「生活の利便性」や「安心感」は、どんな不景気でも価値がゼロにならない。
華やかなプレミアムは、景気の風が止んだ瞬間、真っ先に剥ぎ取られる。 最後に資産を守るのは、見上げる絶景ではなく、地に足のついた『実需』だよ。
かんべ土地建物(株)には、経験豊かな不動産鑑定士が在籍しております。
「タワマンの適正な資産価値は?」「高層階の相続税評価はどうなる?」といったご相談もお待ちしております。
👉 [不動産鑑定のご相談はこちら] https://www.kanbetochi.co.jp/appraisal/



