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【レポート】国際芸術祭「あいち2022」「STILL ALIVE-今、を生き抜くアートのちから」

国際芸術祭「あいち2022」 「STILL ALIVE-今、を生き抜くアートのちから」は、疫病、自然災害、紛争等、先行きの見えないなか、アートには何ができるか。生きるとのは何かといったテーマを掲げています。

メイン会場の愛知芸術文化センタ―の他、愛知県内4か所(名古屋市有松区、一宮市、常滑市)では、それぞれの地域の歴史と文化に対話する作品が展示されました。

【有松地区】

昔ながらの町並みが今も残る「有松」。ここは国の伝統工芸品にも指定されている伝統工芸「有松絞」・「鳴海絞」のふるさとです。
東海道沿いに、江戸時代を彷彿させる街並みが続いています。

 

1000個を超えるガラスが吊り下げらえています。ガラスは、豪州の先住民の主食であるヤム芋の形をしており、精神的・文化的な象徴であり、「メメント・モリ(死者を想え)」の念を、歴史から学び損ねている現代人に伝えています。

絞染を使った作品も展示されています。

 

【ランチはきしめん】
名古屋といえば、きしめん。
大府市にある「山喜」さんは、製麺所が運営しているうどん屋さん、
午後2時前にも関わらず、引っ切り無しにお客さんが入っています。

きしめん(大)520円

みそきしめん(大)、卵 580円

 

【常滑地区】
知多半島の中央、西海岸に位置し。平安時代末期頃から「古常滑」と呼ばれる焼き物の産地として知られ、瀬戸、信楽、越前、丹波、備前と並び、日本遺産に認定された日本六古窯の一つ。江戸時代以降は急須、明治時代からは土管、タイルなど時代に合わせた焼き物を生産し、現在でも窯業は主産業となっています。

常滑焼に使われる粘土にシナモン等を混ぜ和せて乾燥させたクッキーが敷き詰められています。土のような天然素材を使い、母なる大地と人間の新たな繋がりが表現されています。

常滑市の観光スポット 見守り猫「とこにゃん」
とこなめ招き猫通りを見守る巨大な招き猫です。

【一宮市】
愛知県北西部、尾張地方の中核市。尾張国の「一宮」が真清田神社であったことから、その門前町であるこの地域が「いちのみや」と呼ばれるようになった。江戸時代より綿織物の生産が盛んで、絹綿交織物の生産を経て、毛織物(ウール)生産へと転換、「織物のまち一宮」となった。

奈良美智の作品は、孤独感を漂わせながらも、その独自の表情、眼差しから大人の世界の制度、権力に立ち向かう抵抗の意志を表しています。

バリー・マッギーのひときわ人々の目を引く幾何学模様の作品。

中心の太陽が全体を明るく照らし、子供や動物が駆け巡っています。
人間は誰しも他者と手を取り合い、より良い未来を築くことができるはずという信念が描かれています。

みずから癌を患った、塩田千春は、癌細胞が自らの身体、生命を崩壊させようとすることに対し、人間の精神をつかさどる魂がどこになるのかを問うています。

かつて一宮市本町の地蔵寺に存在していた地域の象徴であった、イチイガシの痕跡をデータ化し彫刻を施した作品です。自動車産業を中心とした愛知県の文脈を起点に古木を機械的に変換し、年輪とは真逆の掘削をへて自然物と人工物の関係性に目を向けさせられます。

五輪代表選手も巣立った一宮市スケート場(2022年3月閉鎖)を使った映像作品。
映像に現れるダンサーは、時に過激に、時にスローもションで動き、現代社会の不確実性、不透明性に抗う現代人の不安、不満、怒りのように見えます。

 

【愛知芸術文化センター】
1992年に開館の愛知県の文化芸術の拠点

一本のオークの木の幹を100枚に切断し、この年輪に応じた歴史的なできごとが濃く記された作品。

GOOGLE FOUNDED(グーグル設立)

何層にも重ねられ、直観的に描かれたている表面や絵筆の跡は、描くという行為の痕跡として存在し、無数の時間軸が感じられます。

2020年4月に発令された緊急事態宣言直後に、「孤独感をかんじていること」という条件で集まった匿名の人々が撮影した写真。

同じ空間に吊り下げられた球体はどこか遠く離れた場所からの参加者に操作されているといえます。

「バクダン」と呼ばれる陶芸作品。突起しているもの、不定形の穴が空いているものがあり、爆弾の破裂するエネルギーを表現しているようです。

 

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