近年、タワーマンション節税という言葉が大きな話題を呼びました。実際、タワーマンションを購入して現金をタワーマンションに組み替えたり、借り入れをすることは相続税対策上は効果があるといえます。しかし、こういったタワーマンションを活用した相続税対策には落とし穴があるので注意です!そんなタワーマンション節税の落とし穴について、相続・裁判に強い不動産鑑定士・森田努が分かりやすく解説していきます。
タワマン(タワーマンション)とは?
そもそも、タワマン(タワーマンション)には正式な定義が存在しないのですが、一般的に、20階以上の超高層マンションをタワマンと呼びます。タワマンの定義については、他のウェブサイトでもたくさん関連記事がありますので、気になる方は検索してみてください。
タワーマンション節税の意外な落とし穴とは?
タワーマンション節税とは、タワマン購入時の金額が、相続税の申告額よりも大きく低くなるというタワーマンションの特徴を生かした相続税の節税スキームな訳ですが、実際、タワーマンションを購入して現金をタワーマンションに組み替えたり、借り入れをすることは相続税対策上は効果があると言えます。
ただ、その際に知っておいてもらいたい相続税対策の落とし穴が大きく3つあります。
1. 現金を不動産に組み替えると遺産分割の難易度が上がる
一般的に、現金を相続人間で分割することは比較的簡単なのですが、不動産というアセットは分割をすることが難しいため、共有にするのはオススメしません。相続財産のうち、不動産の占める割合が増えれば増えるほど、遺産分割は難しくなっていくのです。
2.購入したマンションはすぐには売却できない
相続発生直前にタワーマンションを購入し、相続発生直後に売却した場合、明らかな節税対策とみなされる可能性があります。そのため、購入したマンションをすぐには売却することは難しいという懸念点があります。
3. 購入したタワーマンションの出口戦略の必要がある
タワーマンションを購入する場合、自分が住むのか、賃貸用不動産として保有するのか、一定期間保有して売却するのか、といった出口戦略を検討する必要があります。相続税対策のみを目的とし、無計画に高額なタワーマンションを購入するのはリスクが高くなります。
タワーマンションの価格は現在高止まりしており、決して買い時ではありません。相続対策の一環としてタワーマンションを購入するという手段が有効な場合と、そうとは言えない場合があるのでくれぐれもご注意ください。
最後に
ここまで、タワーマンション節税に潜む意外な落とし穴について簡単に解説してきましたが如何でしたか?タワマンを使った相続税対策は、しっかり計画を立てた上で行わないと、結果としてリスクを負うことになりかねません。
かんべ土地建物では、そうした不動産を使った相続について詳しいプロフェッショナルな人材が多数在籍しておりますので、お困りのことがございましたら、気軽にお問い合わせいただけば幸いです。