メシとウンドウ

第12回「現代の我々は何を食べるべきか 〜アルコール問題〜」

当サイトは、不確かな現在の我々の生活に少しでも役立つ情報を発信する事をテーマにしております。

このコラムはその中でも「メシとウンドウ」に関して、最新知見を交えながら情報発信してまいります。

今回はアルコールとカラダの関係をまとめてみようと思います。皆さんは経験があるかも知れませんが、仕事をしていると「会食」遭遇します。

その内容と深さは仕事との絡みもあり様々です。が、アルコールがカラダに与えるインパクトは相当なものがありますので、正しい知識を習得して正しく付き合っていきましょう。

会食との闘い

ビジネス上断れない会食はあるにはある

ビジネスマンには断れない会食があるにあります。ゴルフに至るまでのステップみたいなモノでしょうか。あとは2-3時間で終了するというメリットもありますね。

いずれにせよ会食にはアルコールも絡んできます。会食は基本対抗できないので、機会を減らしたり、開始時間を早くしたり、二次会はナシ前提を設定したり、なるべく低アルコールを選択して対策する人が多いです。

ところが会食は情報収集の場なので、それだと仕事上の付き合いとあまり変わらなくなってしまいます。なので、健康と天秤にかけて休日ゴルフという選択になってしまうわけです。

会食のワナ

会食はそれが日常生活にインパクトを与えてしまうという問題があります。特に高脂肪なものを摂取すると、脳みそに強烈な報酬系が働き、この記憶は1~2週間続きます。

その報酬系の誘惑に耐えられず、今まで我慢していた揚げ物を摂取してしもうた!という経験はありませんか?この誘惑は結構強いので、最低1週間くらいは高脂肪食や過食を避け、繰り返しの欲求を抑えて、誘惑の記憶を消し去ることを意識してください。

かといって、低糖質な飲食を選択して後半記憶を無くしてしまう場合があります。気が付いたら家に帰っていたような感じです。

これが会食の最大のワナなんですね。

これ実は糖質切れによる「気絶」なので、脳神経のスイッチをバチン!と切るようなもの。つまり脳神経への負担がとても大きいというリスクがあります。なので、〆の雑炊とかおじやとか最低限の糖質をとるようにしましょう。場合によってはラーメンでもOKです。それくらい「記憶をなくす飲み方」は危険なのです。

スタンダードドリンクという知識

オーストラリア発

10年ほど前、オーストラリアでは年間に推定3,200人が過飲によって死亡、8万1000人が入院、153億万ドルの社会的費用を生じている状況がありました。

そんなオーストラリアはアルコールを消費するにあたって編み出した基準に「スタンダードドリンク」という考え方があります。その基準が下記です。下記の図には1スタンダードドリンクのアルコールの種類とその量が記載されています。

健康な生活を送るには、1日のアルコール摂取をスタンダードドリンク2を超えないようにするという取り組みです。1スタンダードドリンクは純アルコール10gの事なんですね。

実はもう一つの目的がある

広大な領土を持つオーストラリア。移動はもちろんクルマです。ところがアルコール消費国家であるので飲酒運転が後を絶たないのです。

実はスタンダードドリンクはアルコールがカラダから抜けて影響を与えない時間を計算する仕組みでもあるのです。その計算式は下記の通りです。これは覚えておいてソンはないです。

[ (飲酒量ml ×  アルコール% ÷  100) ×  0.8 ]  ÷  [体重kg × 0.1]

=アルコール分解にかかる時間 です。

モデルで計算すると、体重70kgの人がアルコール5%のビールを500ml飲むと約2.8時間アルコール分解に時間がかかります。アルコール分解は肝臓が担当します。

その間、肝臓は他の仕事を一切しません。ここで思い出してください。肝臓はカラダの基礎代謝の21%を消費していますがこの働きが止まるわけです。

例えば上記の人が毎日アルコール5%のビールを1000ml分摂取するとします。すると肝臓は毎日約5.6時間アルコール代謝に全力で取り組みます。これが週7日になると、約40時間肝臓はアルコール代謝をすることになります。

この人が基礎代謝1800kcalだとすると、1日378kcal分、1週間で2646kcal分基礎代謝が止まるわけです。肝臓の基礎代謝が止まるということは、肝臓は脂質を利用して稼働しているので、その間は脂質利用は止まることとイコール。当然太るワケです。

これが、ダイエット中の人や脂肪過多の人は、アルコール摂取を控えるか、やめるか、筋肉を増量し肝臓の負担を分散しするかという取り組みをする理由なんですね。

もはやうまく付き合うしかない

豊かな生活とは「選択肢の多い暮らし」と言い換えることができます。ところが現代は選択肢が多過ぎて、それを選び取る知識もうんざりするくらいたくさんあります。

ですが、アルコールと人類の付き合いは長く、その効果については良い面もたくさんあります。ところが知識がないばかりに、豊かな暮らしが送れなくなってしまうのはとても残念な事です。

うまくアルコールと付き合って豊かな生活を送りましょう。