第6回|道路の向こうは別世界? 1,000万円の差を生む「容積率」の罠
『上司は鑑定士!』~新人ハルの不動産ゼミ~
第6回|道路の向こうは別世界? 1,000万円の差を生む「容積率」の罠
とある不動産会社の新入社員ハルが、不動産鑑定士である上司・森田のやさしい解説で、不動産にまつわる様々な知識を学んでいくシリーズです。ハルと一緒に勉強してみませんか?
【登場人物紹介】
●佐藤ハル 24歳、不動産営業1年目。理屈より感覚派。モットーは「わからないことは、すぐ聞く!」。
●森田ツトム 49歳、ハルの上司の不動産鑑定士。趣味はサッカー観戦と旅行。難しい専門知識をわかりやすく説明するのが得意。
第6回:道路の向こうは別世界? 1,000万円の差を生む「容積率」の罠
不動産のチラシを見ていると、隣り合っている土地なのに価格が全然違うことがあります。「日当たりも広さも同じなのに、なぜ?」その答えは、目に見えない「空の使い道」にありました。
この道を挟んで右と左、面積は同じ30坪なのに、右側の土地の方が1,000万円も高いんですよ。
左右で日当たりも変わらないのに、おかしくないですか?
ハルさん、それぞれの「用途地域」と「容積率」を確認したかい?
あ!左の方が「住居」ってついてるから、住みやすくて高そうなのに!
1. 建てられる「建物のボリューム」が価格を決める
容積率400%の「商業地」は、30坪の土地に対して延べ120坪の建物が建てられる。
でも、200%の「住宅地」は60坪まで。
つまり、右側には「高いビルやマンション」が建つけど、左側は「大きな家」止まりなんだよ。
でも、道向かいなのに、そんなの不公平ですよ!
街の機能を分けるために、一本の道を境にルールがガラッと変わる。
鑑定士はこの差を「最有効使用」、つまり「その土地を一番効率よく使って、いくら稼げるか」という視点で評価するんだ。
敷地面積に対する延べ床面積(建物の全フロアの合計面積)の割合のことです。指定された容積率が高ければ高いほど、多層階の建物が建てられるため、収益物件としての価値が高まり、その分、土地価格も跳ね上がります。
2. 土地は「どれだけの空間を、お金に変えられるか」
土地の価格は土の値段じゃない。
その土地が「どれだけの空間を、お金に変えられるか」というポテンシャルで決まるんだ。
鑑定士さんって、魔法使いみたいですね。
だからこそ、境界線ギリギリの物件を評価するときは、隣の影の影響なんかも含めて慎重に見極める必要があるんだ。
森田さん、私のデスクも「商業地域」にして、
容積率400%でお菓子を積み上げてもいいですか?
ハル的まとめ
●商業地 vs 住宅地:容積率400%の商業地は高層化が可能で収益性が高く、200%の住宅地より坪単価が大幅に高くなる
●ポテンシャルの評価:土地の価値は、現状の姿ではなく「法的にどこまでの建物が建てられるか」という将来価値で決まる
●鑑定士の視点:用途地域の境界線を正確に把握し、その土地の「稼ぐ力(最有効使用)」を数値化する
「土地の正体は、『地面』ではなく、その上に広がる『空間』。見えない境界線の向こう側にこそ、価格の真実が隠されている。」
かんべ土地建物(株)には、経験豊かな不動産鑑定士が在籍しております。
「隣の土地と価格が違いすぎる」「この土地の最適な活用法は?」といったご相談もお待ちしております。
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