不動産トリビア

賃貸物件オーナーを悩ませるテナント退去について

古くなった賃貸物件をお持ちの不動産オーナーの方は、建物の建て替えを検討するようなケースは多いのではないでしょうか。その時、既存の建物にテナントが入居している場合、テナント様に退去してもらう必要がでてくる訳ですが、実はこのテナントの退去、非常に難しいものです。今回はテナント退去において特に難しいケースを2つ紹介します。

賃貸契約に係る「借地借家法」は、テナントに有利!?

そもそも「借地借家法」とは、建物の所有を目的とする地上権・土地賃貸借と建物の賃貸借について定めた法律のことです。この「借地借家法」は、テナント保護の性格が非常に強いものとなっています。つまり、オーナー都合でテナントを退去させる場合の制約が、きつくなりがちという特性があるのです。

テナント退去が特に困難な2つのケース

ここから、テナント退去が特に難しいケースについて紹介していきます。

テナントが店舗の場合の退去について

テナントが店舗の場合、売り上げが既存店舗の立地に依存している場合もあり、店舗が移転した場合の売り上げを担保することが難しくなるため、移転交渉は難航しがちです。移転を了承したとしても、移転に係る期間の営業補償や新店舗の内装工事費等、補償金が多額になることが多くあります。

実際、賃料の10年分の補償金を求められるケースもありました。賃料10年分もの補償金を支払うのであれば、何のためにオーナー業をしてきたのか、分からなくなってしまいます。

テナントが高齢者の場合の退去について

居住用物件の場合、移転先の住居探しを求められるケースがありますが、テナントが高齢者の時は新たな住居探しが難航しがちです。なぜなら、近年高齢者の孤独死が問題となっており、移転先住居のオーナーにとって、高齢者を受け入れることはリスクに感じられることから、高齢者の受け入れが拒否されることが非常に多いためです。建物が比較的新しい場合は大きな問題にならないことがほとんどですが、築年が古い物件ではその建物をどうするのか、という出口戦略がとても重要になってきます。そして、その出口戦略の自由度を高めるためには早い段階から賃貸借契約を、法廷更新のある「普通賃貸借契約」ではなく、契約更新のない「定期賃貸借契約」にしておくといった対策が必要となります。

最後に

ここまで、テナント退去において特に難しいケースについて紹介してきましたが、如何でしたか?

かんべ土地建物では、不動産オーナー様の悩み・苦悩をたくさん解決してきたプロフェッショナルな人材が多数在籍しておりますので、お困りのことがございましたら、気軽にお問い合わせいただけば幸いです。